【なし図鑑】幸水、豊水、ラ・フランス!主要品種 15 選

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【なし図鑑】主要品種15選:幸水、豊水、ラ・フランス!

梨は、そのみずみずしい果肉と爽やかな甘みで、古くから日本人に親しまれてきた果物です。現代では、品種改良が進み、驚くほど多様な味わいや食感の梨が楽しめます。本稿では、数ある梨の品種の中から、特に代表的で人気の高い15品種に焦点を当て、それぞれの特徴を詳しく解説します。まずは、日本人にとって最も馴染み深い「幸水」と「豊水」、そして洋梨の代表格である「ラ・フランス」を深掘りし、その後、他の人気品種についても紹介していきます。梨選びの参考に、ぜひご活用ください。

代表的品種:幸水

幸水(こうすい)は、日本で最も生産量が多く、最もポピュラーな梨の一つです。その名は「幸いをもたらす水みずしさ」に由来すると言われ、まさにその名の通り、驚くほど水分量が多く、シャキシャキとした歯ごたえが特徴です。糖度は11~13度程度と、上品な甘さで、酸味は控えめなため、子供からお年寄りまで幅広く好まれています。

特徴

  • 収穫時期: 9月上旬~中旬
  • 果実の形状: 円形~扁円形
  • 果皮の色: 赤褐色(砂色)
  • 果肉の色:
  • 食感: 非常にみずみずしく、シャキシャキとした歯ごたえ
  • 味: 上品な甘み、酸味は控えめ
  • 主な産地: 千葉県、茨城県、神奈川県など

幸水の楽しみ方

幸水は、生食が最もおすすめです。冷やして食べると、そのみずみずしさが一層引き立ちます。カットしてそのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトのトッピングや、軽くコンポートにしてアイスクリームに添えるのも良いでしょう。ただし、傷みやすい品種でもあるため、購入後は早めに食べきるのが理想です。

代表的品種:豊水

豊水(ほうすい)は、幸水と並ぶ人気品種で、より濃厚な甘みと、ややしっかりとした食感が特徴です。糖度は12~14度程度と、幸水よりもやや高めで、ジューシーさも健在です。幸水よりもやや遅れて収穫されるため、秋の味覚としても楽しめます。

特徴

  • 収穫時期: 9月中旬~下旬
  • 果実の形状: 円形~扁円形
  • 果皮の色: 褐色(砂色)
  • 果肉の色:
  • 食感: みずみずしさはあるが、幸水よりややしっかりしている
  • 味: 濃厚な甘み、程よい酸味
  • 主な産地: 千葉県、茨城県、新潟県など

豊水の楽しみ方

豊水も生食が基本ですが、そのしっかりとした果肉は、加熱調理にも適しています。梨のコンポートや、豚肉料理のソースに加えても、独特の風味と甘みが料理を引き立てます。また、熟成が進むと、より一層甘みが増すため、少し時間を置いてから食べるのもおすすめです。

代表的品種:ラ・フランス

ラ・フランスは、日本で栽培されている代表的な洋梨です。その芳醇な香りと、とろけるような滑らかな舌触りが最大の特徴。国内での栽培は山形県が有名で、西洋梨の女王とも呼ばれています。和梨とは全く異なる食感と風味を楽しむことができます。

特徴

  • 収穫時期: 10月下旬~11月上旬
  • 果実の形状: 紡錘形(つぼ形)
  • 果皮の色: 黄緑色~黄色
  • 果肉の色: クリーム色
  • 食感: 非常に滑らかで、とろけるような舌触り
  • 味: 芳醇な香りと、上品で甘い味わい
  • 主な産地: 山形県、青森県、新潟県など

ラ・フランスの楽しみ方

ラ・フランスは、追熟させることで本来の美味しさが引き出されます。常温で柔らかくなるまで待ち、指で軽く押してみて弾力が感じられたら食べ頃です。そのまま食べるのはもちろん、サラダに加えたり、タルトやケーキの材料としても最適です。また、その香りを活かして、コンポートやジャムにするのもおすすめです。

その他の人気品種12選

新高(にいたか)

「新高」は、その名の通り、日本を代表する大玉品種です。「高」は「高知県」を、「新」は「新潟県」を意味し、両県の優秀な品種を交配させて誕生しました。果肉はやや粗めで、ジューシーで上品な甘さが特徴です。貯蔵性にも優れています。

  • 収穫時期: 10月上旬~下旬
  • 特徴: 大玉、上品な甘さ、やや粗めの果肉

二十世紀(にじゅっせいき)

「二十世紀」は、明治時代に発見された、日本を代表する青梨の品種です。果皮は緑がかった黄色で、果肉は緻密で上品な甘さと、爽やかな酸味のバランスが絶妙です。冷涼な気候を好むため、東北地方や北陸地方で多く栽培されています。

  • 収穫時期: 9月上旬~下旬
  • 特徴: 青梨、緻密な果肉、爽やかな甘みと酸味

長十郎(ちょうじゅうろう)

「長十郎」は、江戸時代から続く歴史のある品種です。果形は円形に近く、果皮は褐色。果肉はやや粗めですが、水分量が多く、濃厚な甘みが特徴です。貯蔵性にも優れ、長期保存が可能です。

  • 収穫時期: 9月下旬~10月上旬
  • 特徴: 歴史ある品種、濃厚な甘み、貯蔵性良

南水(なんすい)

「南水」は、長野県で育成された品種で、「砂(いさご)梨」とも呼ばれます。糖度が高く、甘みが強いのが特徴で、13~15度にも達することがあります。果肉は緻密で、シャキシャキとした食感です。

  • 収穫時期: 9月中旬~下旬
  • 特徴: 高糖度、甘みが強い、緻密でシャキシャキした食感

秋月(あきづき)

「秋月」は、「新世紀」と「豊水」の交配品種で、その名の通り、秋の月のように丸く美しい形が特徴です。果肉は緻密で、甘みと酸味のバランスが良く、日持ちもします。近年人気が高まっています。

  • 収穫時期: 9月下旬~10月中旬
  • 特徴: 丸く美しい形、甘みと酸味のバランスが良い、日持ちが良い

新雪(しんせつ)

「新雪」は、「二十世紀」を親に持つ品種で、二十世紀の改良品種とも言えます。果皮は黄色で、果肉は白く、緻密で滑らかな舌触りが特徴です。二十世紀よりも甘みが強く、酸味は控えめです。

  • 収穫時期: 9月上旬~下旬
  • 特徴: 黄色い果皮、緻密で滑らかな果肉、二十世紀より甘みが強い

王林(おうりん)

「王林」は、青森県で育成された代表的な青梨です。緑がかった黄色い果皮をしており、独特の芳香があります。果肉は緻密で、甘みが強く、酸味はほとんど感じられません。和梨としては珍しく、冷やして食べるとさらに美味しくなります。

  • 収穫時期: 10月上旬~中旬
  • 特徴: 青梨、独特の芳香、強い甘み、酸味控えめ

太秋(たいしゅう)

「太秋」は、その名の通り、どっしりとした大きな果実が特徴の品種です。果皮は黄色で、赤褐色の縞模様が入ることがあります。果肉は緻密で、糖度が高く、シャキシャキとした食感も楽しめます。日持ちも良いです。

  • 収穫時期: 10月中旬~下旬
  • 特徴: 大玉、高糖度、シャキシャキした食感、日持ちが良い

新興(しんこう)

「新興」は、明治時代に発見された古くからある品種です。果皮は黄緑色で、果肉は白く、やや粗めですが、芳醇な香りと上品な甘みが特徴です。冷涼な気候を好みます。

  • 収穫時期: 10月下旬~11月上旬
  • 特徴: 古くからある品種、芳醇な香り、上品な甘み

秋水(しゅうすい)

「秋水」は、「豊水」と「新水」の交配品種です。豊水に似た濃厚な甘みと、みずみずしさが特徴です。果肉はやや粗めですが、ジューシーで食味は良好です。

  • 収穫時期: 9月中旬~下旬
  • 特徴: 豊水に似た濃厚な甘み、みずみずしさ

佐藤紅(さとうべに)

「佐藤紅」は、赤梨の代表格で、鮮やかな紅色の果皮が特徴です。果肉は白く、甘みが強く、程よい酸味もあり、バランスの取れた味わいです。果汁も豊富です。

  • 収穫時期: 9月中旬~下旬
  • 特徴: 赤梨、鮮やかな紅色の果皮、甘みと酸味のバランスが良い

小金(こがね)

「小金」は、明治時代から栽培されている歴史ある品種です。果皮は黄色で、果肉は緻密で、上品な甘さと、とろけるような舌触りが特徴です。病気に強く、比較的育てやすい品種でもあります。

  • 収穫時期: 9月中旬~下旬
  • 特徴: 歴史ある品種、緻密でとろけるような果肉、上品な甘さ

まとめ

今回ご紹介した15品種は、それぞれに個性豊かで、多様な梨の世界のほんの一部に過ぎません。食感、甘み、酸味、香り、そして収穫時期など、様々な要素を考慮して、お好みの梨を見つけるのは、梨狩りや果物店での楽しみの一つでしょう。梨は、そのまま食べるのはもちろん、料理やお菓子作りにも活用でき、食卓を豊かにしてくれる果物です。ぜひ、様々な品種を試して、自分だけのお気に入りの梨を見つけてみてください。