じゃがいもの「コロッケ」：衣のサクサク感となめらか具材の作り方
じゃがいものコロッケは、日本の家庭料理の定番として親しまれています。外はサクサク、中はとろりとした食感と、じゃがいもの優しい甘みが絶妙なバランスを生み出します。この美味しいコロッケを自宅で再現するための、衣のサクサク感を引き出すコツと、なめらかで風味豊かな具材の作り方、そしてさらに美味しくするための「まとめ」を詳しくご紹介します。
なめらか具材の作り方
①じゃがいもの選び方と下処理
コロッケの具材の要となるじゃがいもは、男爵薯やメークインがおすすめです。男爵薯はホクホクとした食感で、潰しやすく、じゃがいも本来の風味が豊かです。メークインは粘り気があり、よりなめらかな食感に仕上がります。どちらを選ぶかは、お好みの食感によります。
じゃがいもは皮をむき、一口大に切ってから、たっぷりの水で茹でます。竹串がスッと通るくらいまで、しっかりと火を通してください。茹で過ぎると水っぽくなり、風味も損なわれるので注意が必要です。茹で上がったら、ザルにあげてしっかりと湯を切ります。熱いうちに潰すのが、なめらかな具材を作るための重要なポイントです。ボウルに入れ、マッシャーやフォークの背などで、繊維が残らないように丁寧になめらかに潰していきます。熱いうちに潰すことで、じゃがいものデンプン質がより均一に広がり、なめらかな食感になります。
②具材の炒め方と調味
コロッケの具材には、ひき肉や玉ねぎの炒め物が定番です。玉ねぎはみじん切りにし、フライパンに少量の油を熱して、しんなりするまでじっくりと炒めます。焦がさないように弱火で炒めることで、玉ねぎの甘みが引き出されます。ひき肉は、玉ねぎと同様に炒めます。赤みがなくなるまで炒めたら、余分な油をキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取ります。こうすることで、油っぽさがなくなり、すっきりとした味わいになります。
潰したじゃがいもに、炒めた玉ねぎとひき肉を加え、塩、こしょうで味を調えます。味付けは薄めにすることが大切です。後でソースなどをかけて食べることを考えると、薄味の方がじゃがいもの甘みや具材の旨味を活かせます。お好みで、ナツメグを少量加えると、風味が増して本格的な味わいになります。また、マヨネーズを少量加えると、コクとまろやかさが増し、よりクリーミーな仕上がりになります。具材全体が均一になるように、しっかりと混ぜ合わせましょう。
③具材を冷ます
具材を混ぜ終えたら、バットなどに広げ、粗熱を取ってから冷蔵庫でしっかりと冷やします。具材が冷たい方が、成形しやすく、衣も剥がれにくくなります。最低でも30分以上、できれば1時間ほど冷やすのが理想です。
衣のサクサク感を引き出す作り方
①成形
冷やした具材を、お好みの大きさに成形します。一般的には、手に取りやすい楕円形や丸型が一般的です。手に少量の水をつけたり、薄く油を塗ったりすると、手にくっつきにくく、きれいに成形できます。
②衣の付け方
コロッケの衣は、小麦粉→卵→パン粉の順番で付けます。
小麦粉は、具材全体に薄く均一にまぶします。余分な粉はしっかりと払い落とすことで、衣が厚くなりすぎるのを防ぎ、サクサクとした食感につながります。
卵は、溶きほぐし、具材全体にしっかりと絡ませます。
パン粉は、生パン粉を使用するのがおすすめです。生パン粉は粗めに砕かれたものが多く、揚げた時に空気を含んでカラッと揚がり、サクサクとした食感を生み出します。乾燥パン粉を使う場合は、粗めのものを選ぶと良いでしょう。パン粉は、具材全体にたっぷりと、しっかりと押し付けるように付けます。パン粉の付きが甘いと、揚げている途中で剥がれたり、サクサク感が出なかったりします。
③揚げる温度と時間
コロッケを揚げる油の温度は、170℃〜180℃が適温です。油の温度が高すぎると、衣だけが焦げてしまい、中まで火が通らないことがあります。逆に、温度が低すぎると、油っぽくなり、サクサク感が失われてしまいます。
油に入れる前に、パン粉が剥がれないように、軽く手で押さえると良いでしょう。一度にたくさん入れすぎると、油の温度が下がりやすくなるため、数個ずつ揚げるようにします。
コロッケがきつね色になり、衣がカリッとなるまで、片面ずつ揚げます。目安としては、片面2〜3分程度ですが、大きさによって調整してください。揚げすぎると、具材がパサついてしまうので注意が必要です。揚がったコロッケは、網などに乗せて油を切ります。しっかりと油を切ることで、衣のサクサク感を保つことができます。
さらに美味しくするための「まとめ」
じゃがいものコロッケをさらに美味しくするためには、いくつかポイントがあります。
- 具材への工夫：じゃがいもに、チーズやコーン、刻んだパセリなどを加えると、食感や風味に変化が出て、より一層美味しくなります。カレー風味にしたい場合は、カレー粉を少量加えるのもおすすめです。
- 揚げ油の選び方：サラダ油だけでなく、米油や菜種油など、香りの少ない油を選ぶと、じゃがいもの風味を活かせます。
- 衣のバリエーション：パン粉の種類を変えるだけでも、食感に違いが出ます。例えば、細かく砕いたPanko（パン粉）を使用したり、粗めの生パン粉を使用したりすることで、異なるサクサク感を楽しむことができます。
- 揚げ方：二度揚げもおすすめです。一度目は160℃で軽く揚げて油を切り、二度目は180℃で短時間揚げることで、衣がよりカリッとし、サクサク感が長持ちします。
- 添え物：定番のウスターソースやケチャップはもちろん、タルタルソースやデミグラスソースなど、お好みのソースで食べるのも美味しいです。
これらのポイントを参考に、ぜひご家庭で美味しいコロッケ作りに挑戦してみてください。外はサクサク、中はとろりとした、愛情たっぷりのコロッケは、家族みんなが笑顔になること間違いなしです。
