じゃがいもの「揚げ物」:チップス、ハッシュドポテトの自家製レシピ
じゃがいもは、私たちの食卓に欠かせない万能野菜です。その中でも、揚げ物にして楽しむレシピは、手軽さと美味しさから多くの人に愛されています。今回は、家庭で簡単に作れる「ポテトチップス」と「ハッシュドポテト」の自家製レシピについて、その魅力と作り方を詳しくご紹介します。どちらも、素材の味を活かしつつ、カリッとした食感とホクホクとした食感を両立させるためのコツがあります。
自家製ポテトチップス:カリッ!ホクッ!を追求する
市販のポテトチップスも美味しいですが、自分で作ると揚げたての香ばしさや、好みの塩加減に調整できるのが魅力です。基本の材料はじゃがいもと油、塩だけ。シンプルなだけに、じゃがいもの選び方や下準備が美味しさを左右します。
素材選びのポイント
ポテトチップスには、でんぷん質が多く、水分が少なめのじゃがいもが適しています。具体的には、「男爵薯」や「メークイン」などがおすすめです。これらの品種は、揚げたときにホクホクとした食感と、カリッとしたクリスピーさを両立させやすい特徴があります。新じゃがいもよりも、少し貯蔵されたものの方が水分が飛んでおり、よりパリッとした仕上がりになります。
驚くほど簡単な自家製ポテトチップス レシピ
材料
- じゃがいも:2個(中サイズ)
- 揚げ油:適量
- 塩:少々
作り方
- じゃがいもの下準備:じゃがいもは皮をむかずに、よく洗います。薄くスライスするのがポイントですが、厚さはお好みで調整してください。薄ければ薄いほどパリパリに、少し厚めにすればホクホク感も楽しめます。スライサーを使うと均一な厚さに仕上がります。
- でんぷん質を抜く:スライスしたじゃがいもは、冷水に5分ほどさらしてでんぷん質を抜きます。こうすることで、油はねを防ぎ、カリッとした仕上がりになります。水から上げた後は、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取ることが重要です。水気が残っていると、油はねの原因になり、揚がりも悪くなります。
- 揚げる:揚げ鍋にたっぷりの揚げ油を入れ、160℃に熱します。じゃがいもを一度にたくさん入れすぎると、油の温度が下がり、べたつきの原因になるので、数回に分けて揚げましょう。
- 二度揚げでカリッと:最初の揚がりは、じゃがいもが少し黄色みがかる程度で一度引き上げます。油を切って、油の温度を170℃〜180℃に上げます。再度じゃがいもを戻し入れ、きつね色になるまで短時間で揚げます。この二度揚げが、カリッとした食感を生み出す秘訣です。
- 仕上げ:揚がったポテトチップスは、網などに上げて油を切ります。熱いうちに塩を振りかけて、全体に絡ませます。お好みで、カレー粉やパセリのみじん切りなどを加えても美味しいです。
美味しく作るためのコツ
- 厚さの均一性:スライサーを使うことで、均一な厚さにスライスできます。厚さがバラバラだと、揚がり具合にムラが出てしまいます。
- 水分の徹底除去:揚げる前に、じゃがいもについた水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ることが、油はね防止とカリカリ食感の鍵です。
- 油の温度管理:低すぎるとべたつき、高すぎると焦げ付きやすくなります。温度計があると便利ですが、竹串などを油に入れたときに細かい泡がシュワシュワと出るのが160℃の目安です。二度目の揚げでは、少し高めの温度で短時間で仕上げます。
- 揚げすぎ注意:焦げ付くと苦味が出てしまうので、きつね色になったらすぐに引き上げましょう。
自家製ハッシュドポテト:朝食の定番を極める
ハッシュドポテトは、朝食の定番としてだけでなく、おやつやおつまみとしても人気のメニューです。市販品にはない、手作りならではのホクホク感と香ばしさが魅力です。こちらも、じゃがいもの下処理が美味しさの鍵となります。
ハッシュドポテトの基本レシピ
材料
- じゃがいも:2個(中サイズ)
- 玉ねぎ:1/4個(みじん切り)※お好みで
- 塩:少々
- こしょう:少々
- 薄力粉:大さじ1
- 揚げ油(またはフライパンで焼く場合はサラダ油):適量
作り方
- じゃがいもの準備:じゃがいもは皮をむき、細かくおろし金ですりおろすか、フードプロセッサーで粗みじんにします。すりおろした場合は、軽く水気を絞ります。※ここで、全てすりおろすのではなく、一部を角切りにすると食感のアクセントになります。
- 玉ねぎの炒め:玉ねぎを使う場合は、みじん切りにして、油をひいたフライパンでしんなりするまで炒め、粗熱を取ります。
- 混ぜ合わせ:ボウルに、準備したじゃがいも、炒めた玉ねぎ(使う場合)、塩、こしょう、薄力粉を入れてよく混ぜ合わせます。粉っぽさがなくなるまでしっかり混ぜましょう。
- 成形:手にサラダ油(分量外)を薄くつけ、生地を小判型や円形に成形します。厚さは1cm〜1.5cm程度が目安です。
- 揚げる(または焼く):
- 揚げる場合:揚げ油を170℃に熱し、成形したハッシュドポテトを入れます。片面がきつね色になったら裏返し、両面がきつね色になるまで揚げます。
- 焼く場合:フライパンにサラダ油を熱し、成形したハッシュドポテトを並べます。中火で片面がきつね色になるまで焼き、裏返して蓋をし、弱火で火が通るまで焼きます。
- 油を切る:揚げる場合も焼く場合も、キッチンペーパーなどの上で油を切って完成です。
ワンランクアップ!ハッシュドポテトのバリエーション
- チーズ入り:生地にピザ用チーズや粉チーズを混ぜ込むと、コクと風味がアップします。
- ハーブ風味:刻んだパセリやディルなどのハーブを混ぜ込むと、爽やかな香りが楽しめます。
- スパイシー:カレー粉やチリパウダーを少量加えると、ピリッとしたアクセントになります。
- マッシュポテト活用:余ったマッシュポテトをリメイクするのもおすすめです。マッシュポテトに卵黄や片栗粉を加えて成形し、揚げる(または焼く)だけで簡単ハッシュドポテト風になります。
美味しく作るためのコツ
- じゃがいもの水分量:すりおろしたじゃがいもは、適度に水分を絞ることが大切です。水分が多すぎると、成形しにくく、揚げる際に油はねの原因にもなります。
- 粉の役割:薄力粉は、つなぎの役割を果たします。入れすぎると硬くなるので、生地がまとまる程度に調整しましょう。
- 成形の均一性:均一な厚さに成形することで、火の通りが均一になります。
- 焦げ付き注意:焼く場合は、火加減に注意し、焦げ付かないように様子を見ながら焼いてください。
まとめ
自家製ポテトチップスとハッシュドポテトは、家庭で手軽に作れるじゃがいもの揚げ物レシピです。素材の選び方、下準備、そして調理の際のちょっとしたコツを守ることで、お店のような美味しい仕上がりを楽しむことができます。揚げたての温かいポテトチップスのパリパリ感、ハッシュドポテトのホクホク感は、格別な美味しさです。ぜひ、ご家庭で挑戦してみてください。
