りんごの「 Butter 」:アップルバターの濃厚レシピ

フルーツ情報

りんごの「Butter」:アップルバターの濃厚レシピ

アップルバターとは

アップルバターは、りんごを長時間煮詰めて水分を飛ばし、ペースト状にしたものです。通常のアップルソースよりも濃厚で、パンやトーストに塗ったり、お菓子作りの材料として使われたりします。シナモンやナツメグなどのスパイスを加えることで、より一層深みのある味わいになります。

「Butter」という名前がついていますが、バターは使用しません。りんご本来の甘みと、長時間煮詰めることで生まれる濃厚なテクスチャーが、まるでバターのような滑らかさとコクを感じさせることから、この名前が付けられたと言われています。

濃厚アップルバターのレシピ

材料

  • りんご(紅玉やふじなど、酸味と甘みのバランスが良いもの):1kg
  • 砂糖(きび砂糖やてんさい糖など、コクのあるものがおすすめ):100g~200g(りんごの甘さによって調整)
  • レモン汁:大さじ2
  • シナモンパウダー:小さじ1~2(お好みで調整)
  • ナツメグパウダー:少々(お好みで)
  • 水:50ml(りんごの水分量によって調整)

作り方

  1. りんごの下準備

    りんごはよく洗い、芯を取り除きます。皮ごと使うことで、りんごの風味がより豊かになり、栄養価も高まります。皮ごと煮ることで、煮崩れもしにくくなります。もし皮の食感が気になる場合は、薄く剥いても構いません。

    皮ごと、または皮を剥いた後、4等分または8等分に切ります。大きめに切ることで、煮崩れを防ぎ、後で潰しやすくなります。

  2. 煮込み開始

    厚手の鍋に、切ったりんご、砂糖、レモン汁、水、シナモンパウダー、ナツメグパウダーを入れます。鍋の底に砂糖が焦げ付かないように、りんご全体に砂糖をまぶすように混ぜ合わせます。

    最初は強火で加熱し、沸騰したら弱火にします。蓋をして、時々かき混ぜながら、りんごが柔らかくなるまで1時間~1時間半ほど煮込みます。

    りんごの水分量によって、水の量は調整してください。煮詰まるにつれて水分が飛んでいくので、焦げ付かないように注意が必要です。

  3. 潰す

    りんごが十分に柔らかくなったら、火を止めます。木べらやマッシャーなどで、りんごを潰します。完全に滑らかにするのではなく、多少りんごの食感が残る程度に潰すのがおすすめです。フードプロセッサーやハンドブレンダーを使っても良いですが、その場合は滑らかになりすぎないように注意しましょう。

  4. さらに煮詰める

    潰したりんごを再び鍋に戻し、弱火でさらに煮詰めていきます。この工程がアップルバターの濃厚さを生み出す重要なポイントです。蓋をせずに、絶えずかき混ぜながら、水分を飛ばしていきます。目安は、鍋底が見えるくらい、ぽってりとしたペースト状になるまでです。

    この煮詰め具合で、アップルバターの保存性も変わってきます。しっかりと煮詰めることで、より長期保存が可能になります。

  5. 冷ます・保存

    煮詰まったら火を止め、粗熱を取ります。清潔な瓶に入れ、冷蔵庫で保存します。手作りアップルバターは保存料を使用していないため、早めに食べきることをおすすめします。一般的には、冷蔵で2~3週間程度が目安です。

アレンジと楽しみ方

基本のアップルバターに、お好みのスパイスを加えてアレンジするのも楽しいです。

  • ジンジャー風味:すりおろした生姜やジンジャーパウダーを加えると、ピリッとしたアクセントが加わります。
  • クローブ風味:クローブパウダーを少量加えると、よりスパイシーで大人な味わいになります。
  • バニラ風味:バニラエッセンスやバニラビーンズを加えると、甘く上品な香りが楽しめます。

アップルバターの楽しみ方も多様です。

  • パンやトーストに:定番ですが、やはり一番美味しい食べ方です。焼きたてのパンにたっぷりと塗って、温かいコーヒーや紅茶と一緒にどうぞ。
  • ヨーグルトやアイスクリームのトッピング:プレーンヨーグルトやバニラアイスクリームに添えるだけで、贅沢なデザートに早変わりします。
  • お菓子作りに:マフィンやパウンドケーキ、クッキーなどの生地に混ぜ込むと、しっとりとした食感と豊かな風味が加わります。クリームチーズと合わせても美味しいです。
  • 肉料理のソースとして:豚肉や鶏肉のソテーに添えると、フルーティーな甘みが肉の旨味を引き立てます。

りんごの選び方と注意点

アップルバター作りには、どのようなりんごを選ぶかが重要です。一般的に、酸味があり、煮崩れしにくい品種が適しています。

  • 紅玉:酸味が強く、加熱すると甘みが増すため、アップルバターに最適です。
  • ふじ:甘みと酸味のバランスが良く、比較的手に入りやすい品種です。
  • ジョナゴールド:紅玉に似た風味で、アップルバターにも適しています。

逆に、酸味が少なく甘すぎるりんごを使う場合は、砂糖の量を控えめにしたり、レモン汁を多めに加えたりして調整しましょう。

注意点:

  • 煮詰める際は、焦げ付きやすいので、常に目を離さず、こまめにかき混ぜることが大切です。
  • 清潔な瓶を使用し、しっかりと煮沸消毒することで、保存性を高めることができます。
  • 自家製のため、保存料は使用していません。開封後は、必ず冷蔵庫で保存し、早めに消費してください。

まとめ

りんごの「Butter」とも呼ばれるアップルバターは、りんご本来の甘みと旨味を凝縮した、まさに宝石のようなジャムです。自家製にすることで、りんごの品種やスパイスの配合を自由に選ぶことができ、自分好みのアップルバターを作ることができます。パンに塗るだけでなく、様々なお料理やお菓子作りにも活用できる万能さが魅力です。ぜひ、この機会に濃厚なアップルバター作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。その芳醇な香りと奥深い味わいは、きっとあなたの食卓を豊かにしてくれるはずです。