さつまいもの「スイーツ」:モンブラン、タルト、ようかんの本格レシピ
さつまいもは、その自然な甘みとほっくりとした食感から、和菓子だけでなく洋菓子にも幅広く活用できる万能な食材です。今回は、さつまいもを使った定番スイーツであるモンブラン、タルト、ようかんの本格的なレシピを、それぞれの魅力や作り方のポイントを交えながらご紹介します。
さつまいもモンブラン:繊細な口溶けと濃厚な風味
モンブランは、栗のクリームが特徴的なフランス発祥のケーキですが、さつまいもで作るモンブランもまた格別な美味しさです。さつまいもの優しい甘みが、栗とはまた違った深みのある風味を生み出します。
材料
- さつまいも(鳴門金時など甘みの強い品種):500g
- 砂糖:50g〜100g(さつまいもの甘さによって調整)
- 生クリーム:100ml
- バター:20g
- ラム酒(お好みで):大さじ1
- 卵黄:1個
- (下生地用)スポンジケーキまたはビスケット生地
- (飾り用)粉糖、ミントなど
作り方
- さつまいもは皮をむき、適当な大きさに切って水にさらす。
- 鍋にさつまいもとひたひたになるくらいの水を入れ、竹串がすっと通るまで柔らかくなるまで茹でるか蒸す。
- 茹で上がったさつまいもは熱いうちに潰し、裏ごしする。(滑らかな仕上がりにするために丁寧に行う)
- 潰したさつまいもに砂糖、バター、卵黄を加えてよく混ぜ合わせる。
- 弱火にかけ、混ぜながら水分を飛ばし、好みの固さになるまで煮詰める。
- 火からおろし、生クリームとラム酒(お好みで)を加えて混ぜ合わせ、粗熱を取る。
- (絞り袋にモンブラン口金をつけて)下生地(スポンジケーキやビスケット生地を型に敷いたもの)の上に、さつまいもペーストを絞り出す。
- 冷蔵庫で冷やし固め、粉糖を振るなどして飾り付ければ完成。
ポイント
- さつまいもは、甘みの強い品種を選ぶと、砂糖の量を控えめにしても美味しく仕上がります。
- 裏ごしは、滑らかな舌触りのために非常に重要です。目の細かいザルや裏ごし器を使用し、念入りに行いましょう。
- 生クリームの量で、クリームの固さを調整できます。
- ラム酒を加えることで、風味が豊かになり、大人向けの味わいになります。
さつまいもタルト:サクサク生地ととろけるフィリングのハーモニー
タルトは、サクサクとしたタルト生地と、なめらかなフィリングの組み合わせが魅力的なスイーツです。さつまいもを使ったタルトは、素朴ながらも満足感のある味わいです。
材料
- (タルト生地)
- 薄力粉:150g
- 無塩バター(冷たいもの):75g
- 卵黄:1個
- 冷水:大さじ1〜2
- 砂糖:20g
- (さつまいもフィリング)
- さつまいも:300g
- 砂糖:30g〜50g
- 生クリーム:100ml
- 卵黄:1個
- バニラエッセンス(お好みで):少々
作り方
- タルト生地を作る:
- ボウルに薄力粉と砂糖を入れ、冷たいバターを1cm角に切って加える。
- 指先でバターを粉にすり込むようにして、ポロポロとした状態にする。
- 卵黄と冷水を加え、生地をひとまとめにする。
- ラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませる。
- 打ち粉をした台で生地を薄く伸ばし、タルト型に敷き込み、フォークで数カ所穴を開ける。
- 空焼きをする。(180℃に予熱したオーブンで15〜20分)
- さつまいもフィリングを作る:
- さつまいもは皮をむき、適当な大きさに切って水にさらす。
- 鍋にさつまいもとひたひたになるくらいの水を入れ、柔らかくなるまで茹でる。
- 茹で上がったさつまいもは水気を切り、熱いうちに潰して裏ごしする。
- 砂糖、卵黄、生クリーム、バニラエッセンス(お好みで)を加えてよく混ぜ合わせる。
- 空焼きしたタルト生地に、さつまいもフィリングを流し込む。
- 180℃に予熱したオーブンで30〜40分、表面に焼き色がつくまで焼く。
- 粗熱が取れたら完成。
ポイント
- タルト生地は、バターを冷たいまま使うことと、練りすぎないことがサクサクに仕上げるコツです。
- フィリングは、さつまいもをしっかり裏ごしすることで、なめらかな舌触りになります。
- 焼き時間はオーブンによって調整してください。
- 焼きあがりに、シナモンパウダーを振ったり、ホイップクリームを添えたりするのもおすすめです。
さつまいもようかん:素材の味を活かした和の極み
ようかんは、小豆を主原料とする日本の伝統的な和菓子ですが、さつまいもで作るようかんは、その素朴ながらも奥深い甘みと風味で、多くの人に愛されています。素材の味を存分に楽しめます。
材料
- さつまいも:500g
- 砂糖:100g〜150g(さつまいもの甘さによって調整)
- 水:100ml
- (お好みで)寒天:2g(棒寒天の場合)
作り方
- さつまいもは皮をむき、適当な大きさに切って水にさらす。
- 鍋にさつまいもとひたひたになるくらいの水を入れ、柔らかくなるまで茹でる。
- 茹で上がったさつまいもは水気を切り、熱いうちに潰して裏ごしする。
- 鍋に裏ごししたさつまいも、砂糖、水を入れ、弱火で混ぜながら煮詰める。
- (寒天を使用する場合)棒寒天は水で戻し、細かく刻む。鍋に寒天と水100mlを入れて火にかけ、寒天を溶かす。
- さつまいもペーストと溶かした寒天を混ぜ合わせ、さらに弱火で混ぜながら煮詰める。
- 好みの固さになったら、流し缶(またはバット)に流し入れ、表面を平らにならす。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める。
- 好みの大きさに切り分けて完成。
ポイント
- さつまいもの種類によって甘さが異なるため、砂糖の量は味見をしながら調整しましょう。
- 寒天を使うと、よりしっかりとした食感のようかんに仕上がります。
- 煮詰め具合で、ようかんの硬さを調整できます。
- 黒ごまを混ぜ込んだり、栗の甘露煮を加えたりするアレンジもおすすめです。
まとめ
さつまいもを使ったモンブラン、タルト、ようかんは、それぞれ異なる魅力を持つスイーツです。モンブランは、さつまいもの濃厚な風味をクリーム状で楽しめ、タルトは、サクサクの生地とのコントラストが絶妙です。ようかんは、素材本来の甘みと素朴な味わいを存分に堪能できます。
これらのレシピは、さつまいもの美味しさを最大限に引き出すための基本的なものです。ぜひ、ご家庭で挑戦していただき、自分好みの味にアレンジしてみてください。さつまいもの甘みと風味は、心を豊かにしてくれる特別な美味しさです。
