なしを使ったパン・マフィンのレシピ
なしは、そのみずみずしい甘さと、シャキシャキとした食感が特徴の果物です。そのまま食べても美味しいですが、加熱することで甘みが増し、風味が豊かになります。この特性を活かして、パンやマフィンに活用することで、普段とは一味違う、風味豊かな焼き菓子を作ることができます。なしの水分が生地をしっとりとさせ、自然な甘みが砂糖の使用量を抑えることを可能にします。ここでは、なしを使ったパンとマフィンのレシピについて、その魅力や作り方のコツ、アレンジ方法などを詳しく解説します。
なしのパン
基本のなしパン
なしのパンは、食パン型で焼くことも、丸型で焼くこともできます。今回は、手軽に作れる丸型で焼くレシピをご紹介します。
材料
- 強力粉：250g
- ドライイースト：3g
- 砂糖：20g
- 塩：4g
- 牛乳：150ml
- 無塩バター：20g
- なし（お好みの品種）：1個（約150g）
- シナモンパウダー（お好みで）：少々
作り方
- なしは皮をむき、芯を取り除いて1cm角に切ります。フライパンに少量のバター（分量外）を熱し、なしを軽く炒め、シナモンパウダーを振って粗熱を取ります。
- ボウルに強力粉、ドライイースト、砂糖、塩を入れ、軽く混ぜ合わせます。
- 牛乳を加え、全体がまとまるまで混ぜます。
- 台の上に取り出し、なめらかになるまで10分ほどこねます。
- バターを加えて、生地に染み込ませるようにさらにこねます。
- 生地を丸くまとめ、ボウルに入れ、ラップをします。暖かい場所で約1時間、生地が2倍になるまで一次発酵させます。
- 発酵が終わったら、生地を軽く押してガスを抜き、丸め直します。
- 生地を平らに広げ、粗熱を取ったなしを散らし、生地で包み込むようにして形を整えます。
- オーブンシートを敷いた天板に置き、ラップをして30分ほど二次発酵させます。
- 180℃に予熱したオーブンで20～25分焼きます。焼き色がついたら、アルミホイルをかぶせて焦げ付きを防ぎます。
- 焼きあがったら、網の上で冷まします。
なしのパンのポイント
- なしは、加熱することで水分が飛び、甘みが増します。炒めることで、より風味が凝縮されます。
- 生地に練り込むだけでなく、生地の間に挟み込むようにすると、なしの食感と風味がより楽しめます。
- シナモンはなしとの相性が抜群です。お好みで加えてみてください。
- ドライフルーツやナッツを加えても美味しくなります。
なしのマフィン
基本のなしマフィン
マフィンは、手軽に作れる焼き菓子として人気です。なしを加えることで、しっとりとした食感と優しい甘さのマフィンになります。
材料
- 薄力粉：150g
- ベーキングパウダー：小さじ1
- 砂糖：50g
- 卵：1個
- 牛乳：80ml
- 溶かしバター（無塩）：40g
- なし（お好みの品種）：1/2個（約75g）
- レモン汁：小さじ1/2
- シナモンパウダー（お好みで）：少々
作り方
- なしは皮をむき、芯を取り除いて5mm角に切ります。レモン汁をまぶしておくと、変色を防げます。
- ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を加えて泡立て器でよく混ぜ合わせます。
- 牛乳、溶かしバターを加えてさらに混ぜ合わせます。
- 別のボウルに薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、シナモンパウダー（お好みで）も加えて混ぜ合わせます。
- 粉類のボウルに、卵液を少しずつ加えながら、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせます。粉っぽさが少し残る程度で大丈夫です。
- なしを加えて、全体に均一に混ぜ合わせます。
- マフィン型に生地を均等に流し込みます。
- 180℃に予熱したオーブンで20～25分焼きます。竹串を刺して、何もついてこなければ焼き上がりです。
- 型から取り出し、網の上で冷まします。
なしのマフィンのポイント
- なしは、マフィン生地に混ぜ込む前に、軽く炒めるか、電子レンジで加熱すると、より甘みが増し、食感も柔らかくなります。
- レモン汁を加えることで、なしの変色を防ぐだけでなく、爽やかな風味をプラスできます。
- 生地は混ぜすぎるとグルテンが出てしまい、固い仕上がりになるので、粉っぽさが少し残る程度で混ぜるのを止めましょう。
- マフィン型にグラシンカップを敷くと、型離れが良くなります。
- チョコレートチップやくるみなどのナッツ類を加えても、食感と風味が豊かになります。
なしの種類と選び方
なしを使ったパンやマフィンには、甘みが強く、水分が適度に含まれている品種がおすすめです。
おすすめの品種
- 幸水（こうすい）： 日本なしの代表的な品種で、甘みが強く、果汁も豊富です。
- 豊水（ほうすい）： 幸水よりもやや酸味があり、甘みとのバランスが良い品種です。
- 新高（にいたか）： 大玉で、香りが良く、上品な甘さが特徴です。
- ラ・フランス： 洋なしの代表格で、芳醇な香りととろけるような舌触りが魅力です。加熱すると風味がより引き立ちます。
品種によって食感や甘さ、水分量が異なりますので、お好みに合わせて選んでみてください。熟していて、やや柔らかめのものを選ぶと、加熱した際に甘みがより引き出されます。
アレンジレシピのアイデア
なしとスパイスのパン
生地にドライフルーツ（レーズンやクランベリーなど）やナッツ（くるみやアーモンドなど）を加え、シナモン、ナツメグ、オールスパイスなどのスパイスを効かせると、より風味豊かなパンになります。
なしとクリームチーズのマフィン
マフィン生地にクリームチーズを少量加えると、コクとまろやかさが増し、なしの甘みとの相性も抜群です。生地に混ぜ込んでも良いですし、生地を流し込んだ後に中心にクリームチーズを乗せても美味しいです。
なしのコンポートを使ったパン・マフィン
なしを砂糖とレモン汁で煮詰めてコンポートにすると、長期保存も可能になり、いつでも手軽に楽しめます。コンポートにしたなしをパン生地に練り込んだり、マフィンの生地に混ぜ込んだりすることで、よりしっとりとした仕上がりになります。コンポートの煮汁を生地に少量加えると、風味が増します。
なしのジャムを使ったオープンサンド
焼いたパンに、手作りのなしジャムをたっぷり塗って、クリームチーズやナッツをトッピングすれば、美味しいオープンサンドの完成です。
まとめ
なしを使ったパンとマフィンは、なしの自然な甘みとしっとりとした食感が楽しめる、優しい味わいの焼き菓子です。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひご家庭で手作りしてみてください。なしの種類を変えたり、スパイスや他の具材を加えたりすることで、様々なアレンジが可能です。焼きたてのパンやマフィンは格別ですが、冷めても美味しく、朝食やおやつにぴったりです。なしの風味を活かした、 delectable な焼き菓子作りを楽しんでください。
