きんかん:皮ごと食べられる!甘露煮、コンポートのレシピ
きんかんとは
きんかんは、ミカン科キンカン属の常緑小低木、またはその果実のことです。一般的に「金柑」と表記され、その鮮やかなオレンジ色の果皮と、爽やかな香りが特徴です。名前の由来は、中国語の「金橘(きんきつ)」から来ていると言われています。
きんかんの最大の特徴は、その皮ごと食べられる点です。果皮には独特の苦味と甘みがあり、果肉の酸味と合わさることで、独特の風味が生まれます。この皮の風味を活かした調理法が多く、特に冬の時期に親しまれています。
栽培されている品種はいくつかありますが、代表的なものとしては「ネイハキンカン」や「マルキンカン」が挙げられます。ネイハキンカンは果皮が薄く、酸味が穏やかなのが特徴で、生食にも適しています。マルキンカンは果皮が厚く、よりしっかりとした風味を楽しめます。
きんかんは、ビタミンCを豊富に含んでいることで知られています。また、ヘスペリジンなどのポリフェノール類も含まれており、健康効果が期待されています。風邪の予防や喉の痛みを和らげる民間療法としても古くから利用されてきました。
収穫時期は秋から冬にかけてで、この時期になるとスーパーマーケットなどでも見かけるようになります。保存は比較的容易で、冷蔵庫で保存すれば数週間は持ちます。しかし、最も美味しく、その風味を最大限に活かせるのは、やはり新鮮なうちに調理することです。
きんかんの利用法は多岐にわたりますが、今回は特に人気の高い「甘露煮」と「コンポート」のレシピに焦点を当ててご紹介します。これらのレシピは、きんかんの個性を引き出し、家庭で手軽に楽しめるように工夫されています。
甘露煮のレシピ
甘露煮とは
甘露煮は、果物や野菜などを砂糖で煮詰めた保存食の一種です。きんかんの甘露煮は、その代表格であり、艶やかに煮上がったきんかんは見た目も美しく、贈答品としても喜ばれます。
材料
- きんかん:500g
- 砂糖:250g (きんかんの重量の50%)
- 水:きんかんがひたひたになる程度 (約300ml〜400ml)
- (お好みで) レモンスライス:1枚
作り方
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きんかんの下準備:
きんかんはよく洗い、ヘタの部分を丁寧に取り除きます。竹串などで、果皮に数カ所穴を開けます。これは、煮崩れを防ぎ、味が染み込みやすくするためです。
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下茹で:
鍋にきんかんと、きんかんがひたひたになるくらいの水を入れ、火にかけます。沸騰したら弱火にし、5分〜10分程度茹でます。アクが出たら丁寧に取り除きます。この下茹でにより、きんかんの苦味やえぐみが和らぎます。
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水を変えて再度茹でる:
一度お湯を捨て、再度きんかんにひたひたの水を注ぎ、火にかけます。沸騰したら弱火にし、さらに10分〜15分程度茹でます。アクが出たら取り除きます。この工程も、苦味を抑え、果肉を柔らかくするために重要です。
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砂糖を加えて煮詰める:
お湯を捨て、きんかんを鍋に戻します。砂糖を加え、きんかんがひたひたになるくらいの水を加えます。(お好みでレモンスライスも加えます。) 中火にかけ、沸騰したら弱火にします。
蓋はせずに、時々静かに混ぜながら、煮汁が程よくとろみがつくまで煮詰めていきます。煮詰める時間は、お好みのとろみ加減によりますが、20分〜30分程度が目安です。煮詰める際に、きんかんが傷まないように優しく扱いましょう。
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完成:
火から下ろし、粗熱が取れたら、煮沸消毒した清潔な瓶などに移し替えます。保存は冷蔵庫で、早めにお召し上がりください。
甘露煮のポイント
- きんかんに穴を開けることで、味が染み込みやすくなり、煮崩れも防げます。
- 下茹でをしっかり行うことで、きんかん特有の苦味やえぐみが軽減されます。
- 砂糖の量は、きんかんの酸味や甘さ、お好みの甘さに合わせて調整してください。
- 煮詰める際は、焦げ付かないように弱火でじっくりと煮詰めることが大切です。
- レモンスライスを加えると、爽やかな香りがプラスされ、味に深みが増します。
コンポートのレシピ
コンポートとは
コンポートは、果物をシロップで煮たデザートです。甘露煮よりもシロップの量が多めで、果物の風味をよりダイレクトに楽しむことができます。
材料
- きんかん:300g
- 砂糖:150g (きんかんの重量の50%)
- 水:300ml
- (お好みで) 白ワインまたはブランデー:大さじ1
- (お好みで) バニラビーンズ:1/4本
作り方
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きんかんの下準備:
きんかんはよく洗い、ヘタの部分を丁寧に取り除きます。竹串などで、果皮に数カ所穴を開けます。
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シロップを作る:
鍋に水、砂糖、(お好みで)バニラビーンズを入れ、火にかけます。砂糖が溶けるまで混ぜながら加熱し、沸騰したら弱火にし、数分煮てシロップを作ります。
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きんかんを煮る:
シロップにきんかんを静かに入れます。再び火にかけ、沸騰したら弱火にし、きんかんが柔らかくなるまで15分〜20分程度煮ます。煮崩れしないように、優しく扱います。
(お好みで)白ワインまたはブランデーを加える場合は、火を止める直前に加えます。
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冷ます:
火から下ろし、粗熱が取れたら、きんかんをシロップごと清潔な保存容器に移します。冷蔵庫でしっかりと冷やして完成です。
コンポートのポイント
- 甘露煮のように複数回茹でる必要はありません。きんかんの風味をよりフレッシュに楽しめます。
- バニラビーンズや白ワインを加えることで、香りが豊かになり、大人向けのデザートになります。
- シロップの甘さは、お好みに合わせて調整してください。
- 冷やして食べることで、きんかんの爽やかな風味が引き立ちます。
きんかんの活用法
きんかんの甘露煮やコンポートは、そのままデザートとしていただくのはもちろん、様々な料理やお菓子作りに活用できます。
- ヨーグルトやアイスクリームのトッピング:甘露煮やコンポートを添えるだけで、いつものデザートが格段におしゃれで美味しくなります。
- ケーキやパウンドケーキの生地に混ぜ込む:甘露煮のきんかんを刻んで生地に混ぜ込むと、爽やかな風味がアクセントになります。
- 紅茶やハーブティーに入れる:甘露煮のシロップを少量加えると、風味豊かなドリンクになります。
- 鶏肉や豚肉の煮込み料理に:甘露煮のきんかんを、肉と一緒に煮込むと、酸味と甘みが肉の旨味を引き立てます。
- サラダのアクセントに:甘露煮のきんかんを半分に切ってサラダに加えると、彩りも良く、甘酸っぱさが良いアクセントになります。
まとめ
きんかんは、皮ごと食べられるユニークな柑橘類であり、その爽やかな香りと甘酸っぱさは、様々な料理やお菓子に活用できる魅力的な食材です。今回ご紹介した甘露煮やコンポートは、きんかんの美味しさを最大限に引き出す定番の調理法です。
甘露煮は、じっくりと煮詰めることで艶やかな見た目と濃厚な甘みが特徴で、保存性も高いため、手作りギフトとしても最適です。一方、コンポートは、より手軽に作れ、きんかん本来の風味とシロップの軽やかな甘さを楽しめます。
これらのレシピを参考に、ぜひご家庭できんかんの美味しさを味わってみてください。また、甘露煮やコンポートは、そのまま食べるだけでなく、様々なアレンジで楽しむことができます。工夫次第で、きんかんの魅力をさらに広げることができるでしょう。冬の味覚であるきんかんを、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
