りんごの「ジャム」:自家製ジャムの基本と 3 つの工夫
自家製りんごジャムの基本
自家製りんごジャムは、手軽に作れて、りんごの甘みと酸味を存分に楽しめる魅力的な保存食です。基本の作り方をマスターすれば、あとはアレンジ次第で様々な味わいのジャムが完成します。
材料
* りんご:1kg
* 砂糖:りんごの重量の 30%~50% (りんごの甘さや好みに応じて調整)
* レモン汁:大さじ 1~2 (りんごの品種や量に応じて調整)
作り方
1. りんごの下準備
りんごはよく洗い、皮をむき、芯を取り除きます。お好みの大きさにカットします。皮ごと煮込むと色鮮やかなジャムになりますが、皮の食感が気になる場合はむいてください。芯の部分にはペクチンが多く含まれているため、皮と一緒に煮込むことでジャムが固まりやすくなります。
2. 煮込み
鍋にカットしたりんごと砂糖を入れ、軽く混ぜ合わせます。りんごから水分が出てくるまで、弱火でゆっくりと煮込みます。焦げ付かないように、時々かき混ぜてください。
3. レモン汁を加える
りんごがしんなりとして、水分が出てきたらレモン汁を加えます。レモン汁は、ジャムの風味を引き締め、変色を防ぐ効果があります。
4. 水分を飛ばす
弱火~中火にし、時々かき混ぜながら、好みのとろみがつくまで煮詰めます。鍋底に木べらで線を引き、その線がゆっくりと消えるくらいが目安です。煮詰めすぎると焦げ付きやすくなるため注意が必要です。
5. 殺菌した瓶に詰める
煮沸消毒した清潔な瓶に熱々のジャムを詰めます。瓶の口までしっかりと詰め、蓋をしっかりと閉めます。粗熱が取れたら冷蔵庫で保存します。
ポイント
* りんごの品種:紅玉やジョナゴールドなど、酸味と風味のバランスが良い品種がおすすめです。ふじなど甘みの強い品種を使う場合は、砂糖の量を控えめに調整すると良いでしょう。
* 砂糖の量:砂糖の量は、保存性を高めるためにも重要ですが、多すぎるとりんご本来の風味が損なわれてしまいます。りんごの甘さを味見しながら調整してください。
* アク取り:煮込んでいる間に出てくるアクは、丁寧に取り除くと雑味のないクリアな味わいのジャムになります。
* とろみの確認:冷めるとジャムは固まるため、煮詰め加減は少しゆるいくらいがちょうど良いです。小皿にジャムを少量取り、冷蔵庫で冷やして固まり具合を確認するのも良い方法です。
自家製りんごジャムをさらに美味しくする 3 つの工夫
基本のジャムに少し工夫を加えるだけで、より一層魅力的なジャムに仕上がります。ここでは、香りをプラスする工夫、食感をプラスする工夫、そして風味を深める工夫をご紹介します。
工夫 1:香りをプラスする「スパイスとハーブ」
りんごの香りと相性の良いスパイスやハーブを加えることで、ジャムに奥行きと個性を与えることができます。
* シナモン:定番の組み合わせ。スティック一本を煮込む際に加え、煮込み終わったら取り出します。パウダーを使う場合は、煮込みの後半で加えると香りが飛びにくいです。
* クローブ:数粒加えるだけで、エキゾチックで温かみのある香りがプラスされます。入れすぎると香りが強くなりすぎるので注意が必要です。
* スターアニス(八角):独特の甘い香りがりんごの風味と絶妙にマッチします。こちらも数粒程度で十分です。
* カルダモン:爽やかでスパイシーな香りが、りんごの甘さを引き立てます。
* バニラビーンズ:一節を縦に裂いて種をしごき出し、さやごと煮込みます。上品で甘い香りが広がります。
* ローズマリー:意外かもしれませんが、りんごの甘さとローズマリーの爽やかな香りがよく合います。少量加えるのがポイントです。
使い方:スパイスやハーブは、煮込みの段階で加えます。スティック状のものやさやなどは、煮込み終わったら取り除きましょう。パウダー状のものは、香りが飛びやすいので、煮込みの後半に加えるか、火を止めてから加えるのがおすすめです。
工夫 2:食感をプラスする「ドライフルーツやナッツ」
ジャムに食感のアクセントを加えることで、単調になりがちなジャムがより楽しくなります。
* レーズン:ラム酒漬けやプレーンなものなど、お好みで。煮込みの後半に加えると、ふっくらとした食感が楽しめます。
* クランベリー:甘酸っぱさがアクセントになり、彩りも豊かになります。
* いちじく(ドライ):甘みと独特の食感が加わり、リッチな味わいになります。
* くるみやアーモンド:粗く刻んで、煮込みの最後に加えます。香ばしさとカリッとした食感が楽しめます。ローストしてから加えると、より香ばしさが増します。
使い方:ドライフルーツは、煮込みの後半に加えることで、煮崩れを防ぎつつ、風味を移すことができます。ナッツ類は、煮込みの最後に加えることで、食感を損なわずに加えられます。
工夫 3:風味を深める「リキュールやブランデー」
アルコールを加えることで、ジャムの風味に深みと複雑さを与えることができます。アルコール分は加熱で飛ぶため、お子様でも安心して召し上がれます。
* ブランデー:りんごとの相性は抜群。芳醇な香りがジャムの風味を格上げします。
* ラム酒:ダークラムやホワイトラムなど、種類によって異なる風味が楽しめます。
* キルシュ(さくらんぼのリキュール):フルーティーな香りが、りんごの甘さを引き立てます。
* オレンジリキュール(コアントローなど):柑橘系の爽やかな香りが、りんごの風味にアクセントを加えます。
使い方:リキュールやブランデーは、火を止める直前、または火を止めてから加えます。アルコール分を飛ばしながら、香りを移すように混ぜ合わせます。大さじ 1~2 程度から試してみるのがおすすめです。
まとめ
自家製りんごジャムは、基本の作り方を押さえれば、誰でも簡単に美味しく作ることができます。今回ご紹介した 3 つの工夫――スパイスやハーブで香りをプラスする、ドライフルーツやナッツで食感をプラスする、リキュールやブランデーで風味を深める――を試すことで、自分だけのオリジナルジャムが完成します。パンに塗るだけでなく、ヨーグルトに添えたり、お菓子作りに活用したりと、楽しみ方も広がります。ぜひ、旬のりんごを使って、愛情たっぷりの自家製ジャム作りに挑戦してみてください。
