いも類で作る「パン」:さつまいも、里芋を使ったパンのレシピ
さつまいもや里芋といった、私たちの食卓に馴染み深い「いも類」をパン作りに活用するのは、食感の豊かさや自然な甘みをプラスできる魅力的なアイデアです。
さつまいもパンの魅力と基本
さつまいもは、そのほっくりとした食感と自然な甘みがパン生地によく馴染みます。加熱することで、より甘みが増し、生地に練り込むだけで風味豊かなパンに仕上がります。ドライイーストを使った基本的なパン生地に、蒸したり焼いたりして柔らかくしたさつまいもを潰して加えるのが一般的です。
さつまいもパン:基本のレシピ
材料(約4個分)
- 強力粉: 200g
- さつまいも(蒸したもの、皮なし): 100g
- 砂糖: 20g
- 塩: 3g
- ドライイースト: 3g
- 無塩バター: 20g
- 牛乳(または水): 100-120ml(さつまいもの水分量で調整)
- (お好みで)シナモンパウダー: 少々
作り方
- さつまいもは皮をむき、適当な大きさに切って蒸すか電子レンジで柔らかくなるまで加熱します。熱いうちにフォークなどで潰し、なめらかなマッシュ状にします。
- ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れ、軽く混ぜ合わせます。
- マッシュしたさつまいもと、必要であれば牛乳(または水)を少しずつ加えながら、生地がまとまるまで混ぜます。さつまいもの水分量によって牛乳の量は調整してください。
- 生地がまとまったら、台の上に取り出し、なめらかになるまで10分ほどこねます。
- 生地に無塩バターを加え、さらにこねて、バターが均一に混ざり、生地が弾力をもって伸びるようになるまでこねます。
- 生地を丸めてボウルに入れ、ラップをかけて暖かい場所で一次発酵させます(約2倍の大きさになるまで、60分~90分程度)。
- 発酵が終わったら、生地を軽く押さえてガスを抜き、4等分にして丸め直します。
- 濡れ布巾などをかけてベンチタイムを15分取ります。
- 生地を成形します。お好みの形(丸、楕円など)に整えます。
- オーブンシートを敷いた天板に並べ、二次発酵させます(乾燥しないように注意し、約1.5倍の大きさになるまで、40分~60分程度)。
- 180℃に予熱したオーブンで、焼き色がつくまで15分~20分焼きます。
さつまいもパン:アレンジ
- さつまいもと黒ごま: 生地にごまを練り込むことで、香ばしさがプラスされます。
- さつまいもとクリームチーズ: 成形時に生地でクリームチーズを包み込むと、クリーミーで濃厚な味わいが楽しめます。
- さつまいもとレーズン: ドライフルーツの甘みと食感がアクセントになります。
- さつまいもと栗: 秋らしい、贅沢な風味のパンに。
里芋パンの魅力と基本
里芋は、独特のもちもちとした食感と、加熱した際のほんのりとした甘みが特徴です。さつまいもよりも水分量が多く、生地に加える際は水分量の調整に注意が必要です。蒸したり茹でたりして柔らかくした里芋を潰して加えます。
里芋パン:基本のレシピ
材料(約4個分)
- 強力粉: 200g
- 里芋(蒸したもの、皮なし): 80g
- 砂糖: 15g
- 塩: 3g
- ドライイースト: 3g
- 無塩バター: 20g
- 牛乳(または水): 90-110ml(里芋の水分量で調整)
- (お好みで)醤油: ほんの数滴(隠し味)
作り方
- 里芋は皮をむき、適当な大きさに切って蒸すか茹でて柔らかくします。熱いうちにフォークなどで潰し、なめらかなマッシュ状にします。
- ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れ、軽く混ぜ合わせます。
- マッシュした里芋と、必要であれば牛乳(または水)を少しずつ加えながら、生地がまとまるまで混ぜます。里芋の水分量によって牛乳の量は調整してください。隠し味に醤油を数滴加えると、里芋の旨味が引き立ちます。
- 生地がまとまったら、台の上に取り出し、なめらかになるまで10分ほどこねます。
- 生地に無塩バターを加え、さらにこねて、バターが均一に混ざり、生地が弾力をもって伸びるようになるまでこねます。
- 生地を丸めてボウルに入れ、ラップをかけて暖かい場所で一次発酵させます(約2倍の大きさになるまで、60分~90分程度)。
- 発酵が終わったら、生地を軽く押さえてガスを抜き、4等分にして丸め直します。
- 濡れ布巾などをかけてベンチタイムを15分取ります。
- 生地を成形します。お好みの形(丸、楕円など)に整えます。
- オーブンシートを敷いた天板に並べ、二次発酵させます(乾燥しないように注意し、約1.5倍の大きさになるまで、40分~60分程度)。
- 180℃に予熱したオーブンで、焼き色がつくまで15分~20分焼きます。
里芋パン:アレンジ
- 里芋とチーズ: 生地や中にチーズを混ぜ込むことで、塩味とコクが加わり、お食事パンとしても最適です。
- 里芋とネギ: 細かく刻んだネギを生地に練り込むと、風味豊かで香ばしいパンになります。
- 里芋と味噌: 少量の味噌を生地に加えると、和風の甘じょっぱい味わいが楽しめます。
- 里芋とごま: 白ごまや黒ごまを生地に混ぜ込むと、香ばしさと食感がアップします。
いも類パンの調理のポイントと注意点
いも類をパン生地に加える際の調理のポイントは、いもの水分量を考慮することです。
- いもの下処理: いもは必ず火を通して柔らかくしてから使用します。生の状態では生地に馴染みにくく、食感も悪くなります。
- 水分量の調整: いも自体の水分量によって、生地に加える牛乳や水の量を調整する必要があります。最初は少なめに加え、様子を見ながら足していくのが良いでしょう。生地がベタつきすぎる場合は、強力粉を少量足して調整します。
- なめらかに潰す: いもはダマが残らないようになめらかに潰すことで、生地全体に均一に混ざり、滑らかな食感のパンになります。
- 甘さの調整: いもの種類や甘さによって、砂糖の量を調整してください。自然な甘みを活かす場合は、砂糖を控えめにしても良いでしょう。
- 発酵: いもが生地に加わることで、発酵に多少時間がかかる場合があります。生地の様子を見ながら、発酵時間を調整してください。
いも類パンの栄養価と健康効果
さつまいもや里芋をパンにすることで、栄養価もアップします。いも類は、炭水化物の他に、食物繊維、ビタミン(特にビタミンC、ビタミンB群)、ミネラル(カリウムなど)を豊富に含んでいます。
- 食物繊維: 便通を促進し、腸内環境を整える効果が期待できます。
- ビタミンC: 抗酸化作用があり、免疫力を高める効果があります。
- カリウム: 体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を安定させる効果が期待できます。
- 自然な甘み: 砂糖の使用量を減らすことができ、ヘルシーなおやつや朝食になります。
これらの栄養素は、パン生地に練り込まれることで、手軽に摂取できるため、日々の食生活に健康的な要素を加えることができます。
まとめ
さつまいもや里芋を使ったパンは、素朴ながらも奥深い味わいと豊かな食感を楽しむことができる、家庭で簡単に作れるパンです。それぞれのいもの特性を活かし、アレンジを加えることで、飽きることなく様々なバリエーションのパン作りが楽しめます。普段のパン作りに新しい風を吹き込みたい方、手軽に栄養価の高いパンを作りたい方におすすめのレシピです。
