いも類の「 DIY 」:いもからデンプンを抽出する実験

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いも類「DIY」:いもからデンプンを抽出する実験

いも類からデンプンを抽出する実験は、家庭でも手軽に行える科学実験として、子供たちの知的好奇心を刺激するだけでなく、食品の主成分であるデンプンについて理解を深める良い機会となります。

実験の目的

この実験の主な目的は、以下の通りです。

  • いも類に含まれるデンプンを、物理的な方法で分離・抽出する過程を体験する。
  • デンプンが水に溶けにくい性質を持っていることを実感する。
  • 食品の成分について、科学的な視点から考察するきっかけを得る。

準備するもの

実験を始める前に、以下のものを準備しましょう。

  • いも類:じゃがいも、さつまいも、里芋などが一般的で入手しやすいです。今回はじゃがいもを使用することを想定します。
  • 包丁またはピーラー:いもの皮をむいたり、細かくしたりするのに使います。
  • すりおろし器:いもを細かくすりおろすために使用します。
  • ボウルまたはザル:すりおろしたいもを入れ、水で洗う際に使用します。
  • 布(キッチンペーパー、ガーゼ、さらしなど):すりおろしたいもを絞り、デンプンを分離する際に使用します。
  • 空き容器(コップ、ペットボトルなど):デンプンを沈殿させるために使用します。
  • :いもを洗い、デンプンを分離するために使用します。
  • スプーン:沈殿したデンプンをすくい取るのに使用します。
  • (あれば)ヨウ素液:抽出したデンプンが本物であることを確認するために使用します。

実験の手順

以下に、じゃがいもからデンプンを抽出する具体的な手順を示します。

1. いもの準備

まず、じゃがいもの皮をむき、適当な大きさに切ります。そして、すりおろし器を使って細かくすりおろします。

2. デンプンの分離

すりおろしたいもをボウルまたはザルに入れ、たっぷりの水でよく洗います。この時、いもを指で揉むようにすると、デンプンが水に溶け出しやすくなります。

3. 絞り出し

洗ったいもを布で包み、しっかりと絞ります。布からは、白いデンプンを含んだ水分が出てきます。この水分を、デンプンを沈殿させるための空き容器に集めます。

4. 沈殿させる

集めた水分を、静かに置いておきます。しばらくすると、容器の底に白い粉のようなものが沈殿してきます。これがデンプンです。

5. デンプンの回収

水分をゆっくりと捨て、底に沈殿した白い粉をスプーンで丁寧にすくい取ります。これが抽出されたデンプンです。

6. (オプション)ヨウ素液での確認

もしヨウ素液があれば、抽出したデンプンに数滴垂らしてみましょう。デンプンはヨウ素液と反応して、青紫色に変化します。この変化が見られたら、正しくデンプンが抽出できた証拠です。

実験のポイントと注意点

実験を成功させるためには、いくつかのポイントと注意点があります。

  • いもの量:いもが多ければ多いほど、より多くのデンプンが抽出できます。
  • 水の量:いもを洗う際の水の量は、デンプンがしっかり水に溶け出すように、たっぷりと使いましょう。
  • 絞る力:布でいもを絞る際は、できるだけ強く絞ることで、より多くのデンプンを抽出できます。
  • 静置時間:デンプンが沈殿するまでには、ある程度の時間が必要です。焦らず、じっくりと待ちましょう。
  • 乾燥:回収したデンプンをさらに乾燥させたい場合は、風通しの良い場所で広げて乾かします。
  • 衛生面:使用する道具は清潔なものを使用し、実験後はしっかりと洗浄しましょう。
  • 火の取り扱い:火を使う工程はありませんが、包丁などの刃物を使用する際は、大人が必ず付き添い、安全に配慮してください。

デンプンとは?

デンプンは、植物が光合成によって作り出したブドウ糖(グルコース)が多数結合したもので、植物のエネルギー源として貯蔵されています。いも類には、このデンプンが豊富に含まれており、私たちが普段食べている食品(ご飯、パン、麺類など)の主成分でもあります。

デンプンの性質

デンプンは、水に溶けにくい性質を持っています。しかし、加熱したり、酵素の力で分解されたりすると、水に溶けやすい糖に変化します。この性質を利用して、様々な食品加工が行われています。

ヨウ素反応

デンプンとヨウ素液の反応(ヨウ素反応)は、デンプンの検出に広く用いられています。この反応は、デンプン分子のらせん構造にヨウ素分子が入り込むことで起こると考えられており、青紫色の呈色が特徴です。

発展的な実験・学習

この基本的なデンプン抽出実験を元に、さらに発展的な学習や実験を行うことができます。

  • 種類の比較:じゃがいも、さつまいも、里芋など、異なる種類のいもでデンプンの抽出量を比較してみましょう。
  • 抽出方法の工夫:お湯でいもを煮てから抽出すると、デンプンがより抽出しやすくなるかなどを試してみるのも面白いでしょう。
  • デンプンの活用:抽出したデンプンを使い、片栗粉のようにとろみをつける実験や、接着剤を作る実験などに挑戦してみましょう。
  • 他の食材での実験:米や小麦粉など、他のデンプンを多く含む食材でも同様の実験ができるか試してみるのも良いでしょう。

まとめ

いも類からデンプンを抽出するDIY実験は、身近な食材を通じて科学の原理を学ぶことができる、非常に教育的価値の高い活動です。この実験を通して、子供たちは「なぜ?」「どうして?」という疑問を持ち、自ら調べ、考える力を育むことができます。また、食品の仕組みへの理解を深めることで、食への関心や感謝の気持ちも養われるでしょう。準備も簡単で、家庭で気軽にできるため、ぜひ親子で一緒に挑戦してみてください。