いも類:GI値と血糖値コントロール
GI値とは
GI値(Glycemic Index)とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標です。炭水化物を含む食品が、摂取後2時間までに血糖値をどの程度上昇させるかを、ブドウ糖を100とした場合に数値で表したものです。GI値が低い食品ほど、血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値の急激な変動を抑える効果が期待できます。
GI値の分類
一般的に、GI値は以下のように分類されます。
- 低GI食品:GI値55以下
- 中GI食品:GI値56〜69
- 高GI食品:GI値70以上
いも類のGI値:種類別ランキング
いも類は、一般的にGI値がやや高めの食品が多い傾向にありますが、種類や調理法によって大きく異なります。以下に、代表的ないも類のGI値(茹でた場合)をランキング形式で示します。
高GI値のいも類
これらのいも類は、血糖値を急激に上昇させやすい傾向があります。摂取量や頻度に注意が必要です。
- じゃがいも(茹で):約90
- さつまいも(茹で):約85
- 里芋(茹で):約75
中GI値のいも類
中程度のGI値を持ついも類は、比較的血糖値の上昇を穏やかにします。
- 山芋(茹で):約65
- 長芋(茹で):約60
低GI値のいも類
現時点では、いも類の中で明確に低GI値(55以下)に分類されるものは少ないですが、調理法や他の食品との組み合わせでGI値を調整することは可能です。
GI値と血糖値コントロール
GI値が血糖値コントロールに与える影響
高GI値の食品を摂取すると、血糖値が急激に上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。このインスリンの分泌が繰り返されることで、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性を招き、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
一方、低GI値の食品は、血糖値の急激な上昇を抑え、インスリンの過剰な分泌を防ぎます。これにより、血糖値の安定化が図られ、糖尿病の予防や改善、さらには満腹感の持続によるダイエット効果も期待できます。
いも類のGI値を下げる調理法
いも類は調理法によってGI値が大きく変動します。GI値を低く抑えるためには、以下の調理法が有効です。
- 茹でる:揚げるよりもGI値が低くなります。
- 冷ます:茹でた後、冷ますことでデンプンの一部がレジスタントスターチ(難消化性デンプン)に変化し、GI値が低下します。
- 調理時間を短くする:加熱しすぎるとデンプンが分解されやすくなり、GI値が上昇します。
例:じゃがいもを揚げたフライドポテトは、茹でたじゃがいもよりもGI値が格段に高くなります。
いも類を食べる際の注意点
- 摂取量:いも類は炭水化物を多く含んでいるため、一度に大量に摂取すると血糖値が上昇しやすくなります。適量を心がけましょう。
- 他の食品との組み合わせ:食物繊維を多く含む野菜や、タンパク質源となる肉・魚・大豆製品などと一緒に食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
- 加工食品に注意:いも類を原料とした加工食品(ポテトチップス、スナック菓子など)は、油分や糖分が多く添加されている場合があり、GI値が高くなりがちです。
- 調理法に配慮:前述のように、調理法によってGI値は大きく変わります。できるだけGI値を低く抑える調理法を選びましょう。
まとめ
いも類は、私たちの食生活において重要なエネルギー源であり、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富に含まれています。しかし、そのGI値は種類や調理法によって大きく異なるため、血糖値コントロールを意識する際には注意が必要です。
高GI値のじゃがいもやさつまいもなども、茹でて冷ますなどの工夫をすることでGI値を下げることができます。また、他の食品とバランス良く組み合わせることで、血糖値の急激な上昇を抑え、健康的な食生活を送ることが可能です。
いも類を賢く取り入れ、血糖値の安定化に役立てましょう。ご自身の体調や目的に合わせて、食材の選択や調理法を工夫することが、健康維持の鍵となります。
