じゃがいもの「新じゃが」:皮ごとシンプルに味わうレシピ

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じゃがいもの「新じゃが」:皮ごとシンプルに味わうレシピ

春の訪れとともに食卓に彩りを添える「新じゃが」。その瑞々しさとほくほくとした食感は、まさに旬の味覚の代表格です。新じゃがの魅力は、なんといってもそのみずみずしさと甘み。そして、皮の薄さゆえに皮ごと調理できる点にあります。皮には栄養も豊富に含まれているため、皮ごといただくことで、より一層新じゃがの美味しさと栄養を余すところなく堪能できます。今回は、新じゃがの特性を最大限に活かした、皮ごとシンプルに味わうレシピをいくつかご紹介します。

新じゃがの特性と皮ごと調理のメリット

新じゃがは、秋に収穫されたじゃがいもが冬を越して春に収穫される、いわば「春掘り」のじゃがいもです。そのため、水分量が多く、でんぷんの含有量が比較的少ないのが特徴です。これにより、ほくほくとした食感と、口の中に広がる上品な甘みが生まれます。また、皮が薄く柔らかいため、泥を丁寧に洗い流せば、皮ごと調理しても全く気になりません

皮ごと調理するメリットは、単に調理の手間が省けるというだけでなく、栄養面での利点も大きいのです。じゃがいもの皮には、カリウム、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。特にカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、むくみ解消に役立ちます。ビタミンCは、免疫力を高めたり、美肌効果が期待できたりします。食物繊維は、腸内環境を整えるのに不可欠です。これらの栄養素を効率よく摂取するためにも、新じゃがは皮ごといただくのがおすすめです。

新じゃがの皮ごとシンプルレシピ

1. 皮ごと!新じゃがの塩バター蒸し

新じゃがの甘みをダイレクトに味わえる、最もシンプルな調理法の一つです。素材の味を最大限に引き出すため、味付けは最小限に抑えます。

材料(2人分)
  • 新じゃがいも:300g
  • バター:10g
  • 塩:少々
  • お好みで粗挽き黒胡椒:少々
作り方
  1. 新じゃがいもは、たわしなどで泥を丁寧に洗い流し、芽があれば取り除きます。大きいものは半分または1/4に切ります。
  2. 耐熱皿に新じゃがいもを並べ、バターをちぎって散らし、塩を振ります。
  3. ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で5〜7分、竹串がすっと通るまで加熱します。
  4. 熱いうちに器に盛り付け、お好みで粗挽き黒胡椒を振れば完成です。

ポイント:バターのコクと塩味が、新じゃがいもの甘みを引き立てます。電子レンジで手軽に作れるので、忙しい時にもぴったりです。

2. 皮ごと!新じゃがのガーリックバター醤油炒め

定番の炒め物ですが、新じゃがを使うことで、いつもとは一味違う風味に仕上がります。ガーリックの香ばしさとバター醤油のコクが食欲をそそります。

材料(2人分)
  • 新じゃがいも:300g
  • にんにく:1かけ(みじん切り)
  • バター:15g
  • 醤油:大さじ1
  • オリーブオイル:大さじ1
  • お好みでパセリのみじん切り:少々
作り方
  1. 新じゃがいもは、泥を丁寧に洗い流し、芽があれば取り除きます。大きいものは半分または1/4に切ります。
  2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、香りを引き出します。
  3. 新じゃがいもを加えて中火で炒め、全体に油が回ったら蓋をして、時々混ぜながら5〜7分ほど蒸し焼きにします。
  4. じゃがいもに火が通ったら、バターと醤油を加えて全体に絡めます。
  5. 器に盛り付け、お好みでパセリのみじん切りを散らせば完成です。

ポイント:じゃがいもを蒸し焼きにすることで、中がほくほくに、外は香ばしく仕上がります。醤油は最後に入れることで、焦げ付きを防ぎ、風味を活かします。

3. 皮ごと!新じゃがのハーブロースト

オーブンでじっくり火を通すことで、外はカリッと、中はとろりとした食感に。ハーブの香りが食欲をそそり、ワインのお供にも最適です。

材料(2人分)
  • 新じゃがいも:300g
  • オリーブオイル:大さじ2
  • お好みのハーブ(ローズマリー、タイムなど):適量(刻むか枝ごと)
  • 塩:少々
  • 粗挽き黒胡椒:少々
作り方
  1. 新じゃがいもは、泥を丁寧に洗い流し、芽があれば取り除きます。大きいものは半分または1/4に切ります。
  2. ボウルに新じゃがいも、オリーブオイル、ハーブ、塩、粗挽き黒胡椒を入れ、全体にしっかりと絡まるように混ぜ合わせます。
  3. 天板にオーブンシートを敷き、じゃがいもを重ならないように並べます。
  4. 200℃に予熱したオーブンで20〜25分、竹串がすっと通るまで焼きます。途中、焦げ付きそうであればアルミホイルをかぶせます。
  5. 焼きあがったら器に盛り付けて完成です。

ポイント:ハーブはお好みでアレンジ可能です。クミンやパプリカパウダーなどを加えても美味しくいただけます。オーブンで焼くことで、表面は香ばしく、中はしっとりとした仕上がりになります。

新じゃがの保存方法

新じゃがは、普通のじゃがいもに比べて日持ちが短い傾向があります。購入後は、風通しの良い冷暗所で保存するのが基本です。新聞紙などに包んで保存すると、乾燥を防ぎ、長持ちしやすくなります。冷蔵庫での保存は、じゃがいもの糖度を上げてしまい、調理の際に焦げ付きやすくなるため、避けた方が良いでしょう。もし、すぐに使いきれない場合は、薄くスライスして冷凍保存しておくのもおすすめです。冷凍した新じゃがは、解凍せずにそのまま調理に使うことができます。

まとめ

新じゃがは、その瑞々しさ、甘み、そして皮ごと調理できる手軽さから、春の食卓に欠かせない食材です。今回ご紹介したレシピは、いずれも新じゃがの魅力を最大限に引き出す、シンプルながらも奥深い味わいを楽しめるものばかりです。ぜひ、旬の新じゃがを様々な調理法で味わってみてください。