いも類の保存食:ピクルスと乾燥いもの作り方
いも類は、そのでんぷん質の豊富さから、古くから日本の食文化を支える重要な食材でした。生での保存には限界がありますが、ひと手間加えることで、長期保存可能な「保存食」として活用できます。ここでは、いも類を使った代表的な保存食である「ピクルス」と「乾燥いも」の作り方について、詳細を解説します。
いもピクルスの作り方
いもピクルスは、いものホクホクとした食感と、さっぱりとしたピクルス液の酸味が絶妙にマッチした保存食です。主ないも類としては、じゃがいも、さつまいも、里芋などが適しています。特に、でんぷん質の少ない品種や、煮崩れしにくい品種を選ぶと、より美味しく仕上がります。
材料
- いも類:500g
- (A) 酢:200ml
- (A) 砂糖:100g
- (A) 塩:大さじ1
- (A) 水:100ml
- お好みのスパイス(ローリエ、鷹の爪、黒粒こしょう、ディルなど):適量
下準備
- いも類は皮をむき、一口大に切ります。さつまいもや里芋の場合は、アクが気になる場合は水にさらします。
- じゃがいもの場合は、電子レンジで竹串がすっと通るくらいまで加熱しておくと、煮込み時間を短縮できます。
- 消毒した保存瓶を用意します。
作り方
- 鍋に(A)の材料と、お好みのスパイスを入れて火にかけ、砂糖と塩が溶けるまでよく混ぜます。
- 沸騰したら弱火にし、1〜2分煮立たせてピクルス液を作ります。
- いも類を保存瓶に隙間なく詰めます。
- 熱々のピクルス液を、いも類が完全に浸るように瓶に注ぎます。
- 蓋をして、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存します。
ポイントと応用
- 加熱時間:いもの種類や大きさに応じて調整してください。煮崩れしやすいものは、少し硬めに仕上げるのがおすすめです。
- スパイス:お好みで、ニンニク、生姜、マスタードシードなどを加えても美味しくなります。
- アレンジ:ピクルス液にカレー粉やハーブソルトなどを加えることで、風味を変えることができます。
- 活用法:そのまま食べるだけでなく、サラダの具材にしたり、サンドイッチの挟み物にしたりと、様々な料理に活用できます。
- 保存期間:冷蔵庫で1〜2週間程度保存可能です。
乾燥いもの作り方
乾燥いもは、いもの甘みが凝縮され、長期保存が可能な保存食の代表格です。特にさつまいもは、その糖度の高さから乾燥いもに適しています。昔ながらの天日干しのほか、家庭でも手軽に作れる方法をご紹介します。
材料
- さつまいも:適量
天日干しの作り方
- さつまいもはよく洗い、皮付きのまま、または皮をむいて、1cm程度の厚さに輪切り、または短冊切りにします。
- 切ったさつまいもを、蒸し器で竹串がすっと通るまで蒸します。
- 蒸しあがったさつまいもを天板やザルに並べ、直射日光の当たる風通しの良い場所で干します。
- 途中、数回ひっくり返しながら、3〜5日かけて、表面が乾いてしっとりとした状態になるまで干します。
- 完全に乾燥させる場合は、1週間〜10日ほど干します。
オーブンを使った作り方
- さつまいもは上記と同様に準備します。
- オーブンシートを敷いた天板に並べ、100〜120℃に予熱したオーブンで、1〜2時間、様子を見ながらじっくりと加熱します。
- 途中、数回裏返したり、天板の前後を入れ替えたりして、均一に乾くようにします。
- 表面が乾いたら、自然乾燥させて仕上げることも可能です。
ポイントと応用
- 品種:紅はるかやシルクスイートなど、甘みが強く、ねっとりとした食感の品種がおすすめです。
- 下処理:蒸すことで甘みが増し、火の通りが均一になります。
- 乾燥具合:お好みの硬さや食感になるまで調整してください。完全に乾燥させると日持ちしますが、硬くなります。
- 保存:密閉容器に入れ、直射日光の当たらない涼しい場所で保存します。乾燥剤を入れるとより長持ちします。
- 活用法:そのままおやつとして食べるほか、お湯で戻しておかき揚げや、煮物の甘みづけにも利用できます。
- 注意点:天日干しの際は、虫やホコリがつかないよう、網などをかけて保護してください。
まとめ
いも類を使った保存食は、栄養価が高く、手軽に作れるため、非常食としても、普段のおやつや料理のアクセントとしても大変便利です。今回ご紹介したピクルスと乾燥いもの作り方を参考に、ぜひご家庭で美味しい保存食作りに挑戦してみてください。
