料理人が選ぶ!いも類「プロの味」BEST5と調理法
いも類は、その多様な風味と食感、そして栄養価の高さから、家庭料理はもちろん、プロの料理人にとっても欠かせない食材です。今回は、数あるいも類の中から、料理人が「プロの味」として太鼓判を押す、特におすすめの5種類を厳選しました。それぞれのいもの特徴、おすすめの調理法、そしてさらに美味しく仕上げるための秘訣をご紹介します。
第1位:じゃがいも
言わずと知れた「いもの王様」、じゃがいも。その汎用性の高さは群を抜いており、煮る、焼く、揚げる、蒸すなど、あらゆる調理法に対応します。品種によって味わいや食感が大きく異なるのも魅力です。
品種と特徴
- 男爵薯(だんしゃくいも):ホクホクとした食感と甘みが特徴。煮崩れしやすいため、ポテトサラダやコロッケ、マッシュポテトなどに向いています。
- メークイン:煮崩れしにくく、しっとりとした食感。カレーや肉じゃが、フライドポテトなど、形を保ちたい料理に最適です。
- キタアカリ:甘みが強く、黄色みを帯びた果肉が特徴。加熱するとホクホクになり、シンプルにバター醤油などで食べるのがおすすめです。
おすすめ調理法
- ポテトサラダ:男爵薯を茹でて潰し、マヨネーズと和えるのが基本。玉ねぎやきゅうり、ハムなどを加えることで、より深みのある味わいになります。茹で加減が重要で、ホクホク感を残すのがコツです。
- フライドポテト:メークインをスティック状に切り、二度揚げするのがプロの技。一度目は低温でじっくり火を通し、二度目は高温でカリッと仕上げます。塩加減も重要です。
- ジャーマンポテト:玉ねぎとベーコン、じゃがいもを炒めるシンプルな料理ですが、じゃがいもの切り方と炒め方が味を左右します。薄切りにしてカリッと炒めるのがおすすめです。
プロのひと技
じゃがいもは、皮ごと茹でてから皮を剥くと、旨味を逃さず、ホクホクとした食感に仕上がります。また、揚げる前に一度冷蔵庫で冷やすと、形が崩れにくくなり、カリッと揚がります。
第2位:さつまいも
甘く、ほっくりとした食感が魅力のさつまいも。その糖分は加熱によってさらに凝縮され、デザートのような味わいになります。ビタミンCや食物繊維も豊富で、健康志向の高まりとともに人気が再燃しています。
品種と特徴
- 紅あずま:甘みが強く、ホクホクとした食感。焼き芋やふかし芋、天ぷらなど、素材の味を活かす調理法がおすすめです。
- シルクスイート:なめらかな舌触りと、上品な甘さが特徴。生で食べられるほど甘みが強く、デザート感覚で楽しめます。
- 安納芋(あんのういも):蜜のような濃厚な甘さと、しっとりとした食感。ねっとりとした食感が好きな方におすすめです。
おすすめ調理法
- 焼き芋:オーブンや焚き火でじっくり焼くのが王道。低温で長時間焼くことで、甘みが最大限に引き出されます。皮ごと焼くことで、香ばしさも増します。
- 大学芋:揚げたさつまいもを甘辛いタレに絡めた、定番のおやつ。カリッとした食感と、とろりとしたタレのバランスが絶妙です。
- スイートポテト:さつまいもの甘さを活かした、クリーミーなデザート。牛乳やバター、卵黄などを加えて、なめらかに仕上げます。
プロのひと技
さつまいもは、切った後に水にさらす時間を短くするか、水にさらさないことで、本来の甘みと風味を損なわずに調理できます。また、オーブンで焼く際は、アルミホイルで包むことで、水分を保ち、しっとりと仕上がります。
第3位:里芋
ぬめりとねっとりとした食感が特徴の里芋。上品な甘みと、独特の風味は、和食に欠かせない存在です。煮物や汁物に入れることで、料理にコクとまろやかさを与えます。
特徴
炭水化物だけでなく、食物繊維やカリウムを豊富に含んでいます。ぬめり成分には、消化を助ける働きもあると言われています。
おすすめ調理法
- 煮っころがし:醤油、みりん、砂糖で甘辛く煮た、定番の家庭料理。里芋のぬめりが煮汁に溶け出し、とろみがついて美味しくなります。
- 豚汁:豚汁の具材としても優秀。他の野菜との相性も良く、食感のアクセントになります。
- 唐揚げ:意外かもしれませんが、里芋は唐揚げにしても美味しいのです。外はカリッと、中はねっとりとした食感が楽しめます。
プロのひと技
里芋のぬめりは、下茹でをするか、薄く皮を剥くことで軽減できます。また、調理前に片栗粉をまぶしてから調理すると、ぬめりが抑えられ、食感が良くなります。
第4位:長芋
シャキシャキとした食感と、ほんのりとした甘みが特徴の長芋。生で食べることで、その独特の食感と風味が最大限に楽しめます。消化酵素も含まれており、胃腸に優しい食材でもあります。
特徴
ジアスターゼなどの消化酵素を多く含み、消化を促進する効果が期待できます。また、カリウムも豊富です。
おすすめ調理法
- とろろご飯:すりおろしてご飯にかける、最もポピュラーな食べ方。だし醤油や薬味を加えて、お好みの味に仕上げます。
- 磯辺揚げ:海苔で巻いて揚げることで、香ばしさがプラスされ、食感も楽しめます。
- 和え物:薄切りにして、わさび醤油や梅肉などで和えることで、さっぱりとした副菜になります。
プロのひと技
長芋のぬめりは、切った後に水にさっとさらすか、酢水に短時間つけることで軽減できます。また、すりおろす際は、おろし金にラップを敷くと、手がぬめりつくのを防ぐことができます。
第5位:山芋(大和芋)
長芋よりも粘り気が強く、濃厚な風味を持つ山芋。すりおろして使うのが一般的で、お好み焼きや団子、蕎麦のつなぎとしても利用されます。
特徴
長芋よりも粘り気が強く、滋養強壮にも良いとされています。
おすすめ調理法
- お好み焼き:小麦粉の代わりに山芋をたっぷり使うことで、ふんわりとろりとした食感のお好み焼きが作れます。
- 山かけうどん・そば:うどんやそばにとろろをたっぷりとかけた、定番のメニュー。
- 磯辺焼き:すりおろした山芋に海苔を巻いて焼く。香ばしさとねっとりとした食感が絶妙です。
プロのひと技
山芋は、すりおろした後に空気に触れると酸化して黒ずむことがあります。調理直前にすりおろすか、レモン汁を少量加えると、色止めになります。
まとめ
今回ご紹介したいも類は、それぞれが独自の魅力を持っています。これらのいもを使いこなし、素材の味を最大限に引き出す調理法をマスターすることで、食卓はさらに豊かになるでしょう。ぜひ、ご家庭で「プロの味」に挑戦してみてください。
