じゃがいもの「品種」:メークインで 20 種類の料理を作ってみた

野菜情報

じゃがいも「メークイン」20種料理への挑戦

今回の挑戦は、私たちの食卓に馴染み深い野菜、じゃがいもの品種「メークイン」に焦点を当て、その可能性を最大限に引き出すべく、実に20種類もの料理を創作し、試食を重ねた記録です。メークインは、その細長く優美な姿と、しっとりとした食感、そして上品な甘みから、古くから多くの人々に愛されてきました。しかし、その特性を活かした料理となると、煮物やポテトサラダといった定番に留まりがちです。そこで、私たちはメークインの隠されたポテンシャルを探求し、家庭料理から少し趣向を凝らした一品まで、幅広いレシピに挑戦いたしました。この挑戦を通じて、メークインの多様な顔を発見し、その魅力を再認識することができました。

挑戦の背景とメークインの特性

「メークイン」という品種名は、その美しい形状から「 Queen of Potatoes 」(じゃがいもの女王)に由来すると言われています。その特徴は、何と言っても細長い楕円形の形状と、皮の薄さ、そして煮崩れしにくいという点です。これらの特性は、料理において非常に扱いやすく、様々な調理法に適しています。

  • 形状:細長い形状は、見た目の美しさを演出しやすく、盛り付けの際にも工夫の余地があります。
  • 皮の薄さ:皮ごと調理することで、栄養価を無駄なく摂取できるだけでなく、独特の風味や食感を楽しむことができます。
  • 煮崩れしにくさ:煮込み料理やスープなど、形を保ちたい料理において、その真価を発揮します。
  • 食感と味:しっとりとした食感と、上品な甘みは、素材そのものの味を活かしたシンプルな調理法はもちろん、他の食材との組み合わせによっても、その良さが引き立ちます。

このようなメークインの特性を踏まえ、私たちは「揚げる」「焼く」「蒸す」「煮る」「和える」といった基本的な調理法に加え、「 マッシュする 」「 すりおろす 」「 チップスにする 」など、より多様なアプローチで20種類の料理を考案しました。

20種類の料理とその工夫

以下に、今回挑戦した20種類の料理とその創作過程で工夫した点をご紹介します。

1. メークインの皮ごとロースト

メークインを一口大にカットし、オリーブオイル、ローズマリー、ニンニクと共にオーブンでじっくりと焼き上げました。皮の香ばしさと、中身のホクホク感が楽しめました。シンプルながら、メークイン本来の甘みと旨味を存分に味わえる一品です。

2. メークインとベーコンのガーリックソテー

薄切りにしたメークインとベーコンを、ニンニクの香りが食欲をそそるように炒めました。メークインのほのかな甘みとベーコンの塩味が絶妙にマッチし、お酒のおつまみにも最適でした。

3. メークインとハーブのポテトサラダ

定番のポテトサラダですが、メークインを粗めに潰し、ディルやパセリといったフレッシュハーブをたっぷりと加えることで、爽やかな風味に仕上げました。マヨネーズのコクとハーブの香りが、メークインのしっとりとした食感とよく合います。

4. メークインのチーズ焼き

薄切りにしたメークインを重ね、ホワイトソースとチーズをかけてオーブンで焼きました。とろけるチーズとクリーミーなソース、そしてメークインの優しい甘さが、子供から大人まで楽しめるグラタン風の一品です。

5. メークインのガレット

すりおろしたメークインを、少量の小麦粉と卵でつなぎ、フライパンでカリッと焼き上げました。外は香ばしく、中はもちもちとした食感が楽しめ、朝食や軽食にぴったりでした。

6. メークインのクリームスープ

メークインを柔らかく煮込み、ミキサーで滑らかにした後、生クリームで仕上げた濃厚なスープです。メークインの優しい甘みが、温かいクリームスープとして体を芯から温めてくれます。

7. メークインのチヂミ風

千切りにしたメークインに、ニラやキムチなどを加えて、韓国風のお好み焼きであるチヂミにしました。メークインのほのかな甘みが、キムチの辛味と意外なほどよく調和しました。

8. メークインのライスコロッケ

マッシュしたメークインを、ケチャップライスと合わせて丸め、パン粉をつけて揚げました。外はサクサク、中はクリーミーで、子供たちにも大人気でした。

9. メークインのボルシチ風

ビーツの代わりに、メークインを主役に据えたボルシチ風スープです。メークインが煮込まれてとろみがつき、野菜の旨味が凝縮された、優しい味わいのスープになりました。

10. メークインのミネストローネ

他の野菜と共に、メークインを大きめにカットして煮込んだミネストローネです。メークインが煮崩れしにくいため、スープの中で形を保ち、食べ応えのある一品になりました。

11. メークインのフライドポテト(皮付き)

スティック状にカットしたメークインを、皮ごと揚げました。皮の香ばしさがアクセントになり、定番のフライドポテトとは一味違う美味しさでした。

12. メークインのガーリックバター炒め

輪切りにしたメークインを、ガーリックバターで香ばしく炒めました。シンプルながら、バターの風味とニンニクの香りがメークインの甘みを引き立てます。

13. メークインのミートソースグラタン

茹でてスライスしたメークインを器の底に敷き、ミートソース、ホワイトソース、チーズを重ねてオーブンで焼きました。ミートソースのコクとメークインの優しい甘みが絶妙なバランスでした。

14. メークインのアンチョビポテト

一口大にカットしたメークインを、アンチョビとニンニクと共に炒めました。アンチョビの塩味と旨味が、メークインの甘みを引き締め、食欲をそそる一品になりました。

15. メークインのスコップコロッケ

耐熱皿にマッシュしたメークインを敷き、ひき肉を炒めたものを乗せ、チーズをかけてオーブンで焼きました。スプーンで掘りながら食べる、手軽で美味しいコロッケです。

16. メークインのディップ添え

薄切りにしたメークインを茹で、数種類のディップ(サワークリーム、サルサソース、チーズソースなど)と共に提供しました。メークインの優しい味わいが、様々なディップの風味を引き立てます。

17. メークインのジャーマンポテト風

薄切りにしたメークインと玉ねぎ、ベーコンを炒め、黒胡椒を効かせたジャーマンポテト風の一品です。メークインのしっとりとした食感が、定番のジャーマンポテトとはまた違った味わいを生み出しました。

18. メークインと明太子の和え物

蒸したメークインを粗めに潰し、明太子とマヨネーズで和えました。明太子のピリ辛とメークインの甘みが、意外なほど相性が良く、おつまみにも副菜にもなる一品です。

19. メークインのポテトチップス(自家製)

薄くスライスしたメークインを、油でカリッと揚げました。市販のものとは一味違う、素朴で優しい味わいのポテトチップスができました。

20. メークインのライスサラダ

炊いたご飯に、角切りにしたメークイン、コーン、きゅうりなどを加えて、マヨネーズで和えました。メークインの優しい甘みが、サラダ全体の味をまろやかにしてくれます。

まとめ

今回の20種類の料理への挑戦を通じて、メークインの持つポテンシャルの高さを改めて実感しました。その上品な甘み、しっとりとした食感、そして煮崩れしにくいという特性は、和洋中を問わず、様々な料理に柔軟に対応できることを証明しました。特に、皮ごと調理することで生まれる香ばしさや、マッシュすることで生まれるクリーミーさは、メークインならではの魅力です。

普段、何気なく食卓に並ぶメークインですが、少しの工夫とアレンジで、驚くほど多様な料理へと姿を変えることができます。この挑戦が、皆様のメークインに対する認識を広げ、ご家庭での料理の幅を広げる一助となれば幸いです。メークインは、まさに「じゃがいもの女王」と呼ぶにふさわしい、奥深い魅力を持った野菜なのです。